学校、PTA、子ども会、商業施設などのイベントに、何らかの出演者を呼んだとします。
マジックショーやバルーンアートショー、ジャグリングショー、弊社のサイエンスショーなど、盛り上がる系のイベントです。
で、全然盛り上がらない事があります( ̄o ̄;)
「出演者が悪い!」
確かに技量の問題で、そんな事もあるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
他に要因はないでしょうか。
ここでは、多くのエンターテイナーの方を代弁して書きます。
会場設営のテクニック的なものですね。
出演者以外の要因もたくさんあります。
どの業種でも、ショーですから盛り上がってほしいものです(おとなしく見る、感動系、美しい系のショーもありますが)。
でも、次のような状況では盛り上がれない傾向にあります。
■子どもが前で、保護者は後ろ。
子どもたちの見やすさや、子ども優先の意識から、家族を離れ離れにされる事があります。
周りに親しい友達が多い、学校のような場所であれば問題ありませんが、
商業施設などのように、友だちが少ない状態の会場の場合どうでしょう。
兄弟もおらず、1人ポツンと座るお子様が出てくるわけです。
不安と寂しさで一杯になるお子さんもいるでしょう。
このようなお子様が盛り上がれるでしょうか?
もちろん、そのような中にも声を上げて喜んだり、出演者に話しかけてくるお子様もいます。
そのようなお子様がいれば儲けもので、その子を中心にショーを展開するなど、
一定の盛り上がり感を演出しやすくなります。
いなければ…。
親子は一緒に座って頂きましょうね。
ネタを見て「今のスゴイね」など、家族で喜びを分かち合うようなコミュニケーションも生まれますよ。
■前が1年生で、後ろが6年生。
身長的な見やすさから、小学校などでは学年ごとに横並びにして1年生を前に、高学年になるほど後ろにすることも多いようです。
しかし、思春期を迎え始めた高学年のお子様は、喜びや感動を素直に表に出しにくい傾向があります。
皆様も通ってきた道ですから、なんとなく分かりますよね。
「喜んだらカッコ悪い」みたいな。
だから、嬉しいくせに白々しい感じに。
これは成長の証ですから仕方のない事ですが、ショーにとっては有難くないものです。
このような並びの場合、前ばかり盛り上がって、後ろはシラケる…という事も多いです。
多少見にくくても縦並びにするか、1~6年生までごちゃまぜで自由に座るか。
まぁ、いつもの並び順と違うのも違和感があるかもしれませんが、
その方が、ワイワイ盛り上がる低学年の子が近くにいるので、高学年の子も素直になりやすく、エンターテイナーとしては有難いでしょう。
もちろん、どのような並びでも後ろの方まで盛り上がるように努力はしますけどね。。。
特にサイエンスショーでは、1年生がやたらと立ち上がるw
後ろが見えないから!!と何度言っても立ち上がるww
興奮してくれるのはとても嬉しいのですが…。
配置に工夫ができそうであればご協力頂けると有難いです。
■縦長な並びと空間。
特にきちんと整列する学校の場合です。
人数とスペースの関係で、物理的に縦長にするしかない場合がありますが、
各学年男女1列みたいなのを、各2列や3列にできるのであればそうして頂き、
できるだけ横の空間を詰めた方が良いです。
遠い人が見にくいということもありますが、どちらかというと
横の空間が出来過ぎてしまい、友達同士のワイワイした感じを出しにくくなります。
歓喜している友だちがすぐ隣にいるのと、少し離れた所にいるのとでは全く様子が異なります。
上記の低学年と高学年を近くに座らせることと共通しますが、歓喜は近ければ近いほど伝播し、会場全体の雰囲気へとつながります。
サイエンスショーの場合は教育の面もありますから、ワイワイすることだけが良いのではありませんが、
授業ではありませんので、友だち同士で少々会話し、楽しみながら見て頂くことも重要です。
■お客様の座る位置がバラバラ。。。
どうしても集客が上手くいかなかったり、地域性から、まばらなイベントもあります。
もしくは定員が少ないのに、会場がやたらと広い場合もあります。
当たり前ですが、このような時は前に固まって座ってもらいましょう。
それぞれのお客様が離れていては、盛り上がり様がありません。
こじんまりとした場合、近づいてもらえばお客様同士が知り合いでなくても不思議な一体感が生まれることが多いです。
登場した後、お客様がバラバラに座っている様であれば、
エンターテイナーは最初に座る位置を移動するように促すと思いますが、
中にはそのような発言ができないエンターテイナーもいます。
決まったセリフがあるなど、ガッチリ固定した内容のショーや、雰囲気のあるショーで、臨機応変な対応をどうしても取れない場合です。
ショーに積極的には参加したくなくて、出演者が促しても頑として動かない方もいらっしゃいます。
ショーを成功させるためには、開演前にスタッフの方で誘導を行って頂けると大変助かります。
■司会者がさっさとネタバラシ。。。
まぁ、さすがにマジックショーでは無いと思うのですが、他のショーでは聞きますね。
「今日はこんな内容があるよ」と、開演前に司会者が案内してしまうのです。
サイエンスショーは特にこの傾向が強い気がします。
お打合せの段階で、サイエンスショーとはどのような物か、イメージを持たない依頼者の方もいらっしゃいますから、
セットリストを詳しく説明してほしいと言われる事があります。
一応説明しますが、「一般のお客様にネタバレしないように」と念を押します。
にも関わらず、司会者の方がご丁寧にセットリストをぜ~んぶ喋ってしまったことがありました。
周囲の関係者も、まさか言わないだろうと思っていたのか、周知徹底されていませんでした。
最終的に、勘の良いお客様から「それって言っちゃダメなんじゃ…」という声が出る始末。。。
慣れていない司会者さんとのお打合せで「内容には触れないで、本当に簡単なご挨拶でいいですよ」と伝えたのですが、
緊張からか、逆に余計なことをどんどん言ってしまう方もいらっしゃいましたw
これは、推理小説を読む前の人に、犯人を教えてしまうのに等しいです。
驚き、楽しみが激減してしまいます。
ただ、大体は司会者さんの言葉はあまり聞いていない(覚えていない)ので、完全に盛り下がるということではありませんが、注意が必要です。
■そもそも、お客様が少なすぎる。。。
これは致し方ない所はありますが、
見込みの集客数に見合った種類のエンターテイナーを呼びましょう。
例えばですが、いくらご予算が莫大だからといって、10名のイベントに引田天功さんは呼ばないでしょう。
それぞれプロなので、依頼を受けた以上は人数やお客様の性質に合ったものを行うよう努力すると思いますが、そのエンターテイナー本領は発揮できないかもしれません。
九州サイエンスラボのサイエンスショーでも50人くらいはいた方がいいですね。
少ない場合は科学工作などを行う、出張実験教室がお勧めです。
弊社では10名に満たない子ども会のお子様を対象に、サイエンスショーを行ったこともあります。
それぞれがお友だちで和気あいあいとしており、中に1人だけリアクションが大きい子がいたので、人数の割に随分盛り上がりました。
ですが、この人数ですと「全員が大人しい子」という確率が上がります。
そうなると、ただただ見るだけで、実験の協力を仰いでも、誰も参加しようとしません。
最初の方は緊張していたお子さんも、かず先生の場合は話しかけやすい雰囲気なので、だんだんノッてきてくれますけどね。
いつもの盛り上がりと比べると、やはり静かなものになります。
やたらワイワイせず「きちんと学べる」という意味では、少人数も良いですけどね。
上にも書きましたが、エンターテイナーはプロです。
これまで培ってきた技術と経験で、
どのような状況においても盛り上がって頂けるように創意工夫します。
でも、もの凄く苦労する状況がある事をご理解ください。
主催者様・運営者様にもぜひご協力頂き、一緒に良いものを作り上げられれば幸いです。
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