一部の人でものすごく勘違いの多い言葉「自然科学」。
サイエンスショーが終わった後に、大人の方から話しかけれれると、たまに話がかみ合わないというか、「ん?」と思うことがあります。
「温暖化とか、地球環境が問題になっていますけど、”自然科学”をテーマにしたショーなんかもあるんですか?」
(今日やったのも自然科学ですが…)
「私は”自然科学”が好きなので、植物とか虫とかに興味があるんです」
(自然科学=自然ではないんですが…)
日本語の使い方としては間違っている訳ではないのですが、この2人が言おうとしていることは”自然科学”の事ではなく、一般的に言う単なる”自然”だと思います。
「自然」という言葉で想像するのは、森林とか川とか海とか、「自然豊かな…」的なものでしょうか。
広義の「科学」を分類すると「自然科学」「人文科学」「社会科学」に分かれます。
大学受験をした人は、文系の学科などが「人文科学部」に属していて、「科学」という言葉が含まれていることに違和感を感じたことはなかったでしょうか?
政治経済とかになると「社会科学」ですね。
そもそも、「科学」とは学問全般の事を指すのです。
で、このうち「自然科学」は一般的な方がイメージする「科学」「理科」のことです。
つまり、森林とかの自然ではなく、世の中の摂理のことを「自然」と呼んでいるのです。
ですから「光」「音」「化学反応」「力」「動植物」「宇宙」…ぜ~んぶ「自然科学」なのです。
ただ、私は「人文科学」も「社会科学」も、「広義の科学」ではなく「狭義の科学(一般的に言う科学)」と密接な関係があると思います。
例えば言語は人間の脳が生み出したもので、政治や歴史は人間という生物の営みなわけで、見方を変えれば生物学です。
音楽や芸術だって、人間の脳が生み出したもの。
広く考えれば、あらゆる学問で”人間という生物を学ぶ”部分が多いのです。
だから、全てが理科的な科学。
つまり自然科学に繋がると思うのです。
学問の種類は、便宜上で勝手に分けたものです。
文系の貴方も、自然科学的な発想も意識すると、新しい考え方や可能性が広がるかもしれませんよ。