お子さんに「科学って何?」と聞かれたらどのように説明しますか?
改めて考えると、意外と難しいことに気付きます。
九州サイエンスラボでは、幼稚園や保育園に定期出張もしています。
英語教室とか体操教室とかと同じ、外部講師ですね。
初回の教室で、保育園の先生に「お友達でも分かるように”科学”を説明してください」とムチャ振りしますw
まぁ、答えられません。
宇宙とか、化学反応とか、おもしろ実験で言えば空気砲とか。
なにか具体的なものをつらつらと挙げるか、「不思議でとっても面白いもの」という
とても漠然とした答えで誤魔化す感じが多いでしょうか。
これは大人も「科学」を「何か特別なもの」として捉えている証拠です。
先に答えを言えば「あらゆるものが科学」です。
科学は特別なものではありません。
貴方が生きていて、そこに存在しているのも科学。
ご飯を食べないと生きていけないのも科学。
食べたらう〇ち( ´艸`)をするのだって、立派な生物学でしょ?
ここに空気が存在している、地球が存在している、宇宙がある…全て科学。
朝が来て、昼が来て、夜が来るのも科学。
おしゃべりしたり、文字を書いたり読んだり、遊んだり、絵を描いたり、歌うのだって科学。
世の中のもの全てはこの宇宙から誕生したものですから、人・動物・植物の営み自体も科学です。
転がっている石や水、空気、宇宙空間、星…世の中のあらゆるものが宇宙の法則でできているから、この世の全てを「科学」として捉えることができるんです。
そして、その正体を考えたり、現象の理由を考えて、真実を見つける事。
この世の理(ことわり)にたどり着こうとする事が科学です。
なんだか難しい言い方になってしまいましたが、
小さな子どもたちは何でも「なんで?」って聞きますよね?
その気持ち(知的好奇心)は、既に学問的な「科学する心」なんです。
大人になると、いちいち細かいことを「なんで?」とは考えず「当たり前」と捉えてしまいます。
理科は小学3年生からしか始まらないので、幼児期の子どもたちに科学は早すぎると思う方もいらっしゃいます。
しかし、私は最も適した時期は幼児期だと思います。
その時期に溢れ出る知的好奇心を、大人になっても大切にすることが、科学教育で最も大事なことだと思います。
何に対しても「なぜ?」と思っていい。
「1+1はなぜ2になるの?」エジソンが子どもの頃に発した言葉とされるます。
そのような疑問が出ることは「すばらしい事なんだ」と理解してもらうことが大切だと考えています。
だから、「何でも科学」。
そして、「なんで?と考えるのが科学」。
さらに、「ああかな?こうかな?」と考え、
その考えが正しいかを確かめるのが「実験」であり「観察」です。
子どもたちはすでに遊びの中で実験や観察をしています。
校庭の端でボーっと葉っぱをちぎっていたら、葉脈が堅い事に気付いたり。
草を引っこ抜いて、根の張り具合に気付いたり。
泥に足を突っ込んだら靴が脱げてしまったり。
空を見て、青かったり赤かったりするのを眺めたり。
アリの動きをジーっと追ってみたり、行列の邪魔をしてみたり、巣穴をふさいでみたり。
科学って、そんなありふれたものなのです。